
『女たちの21世紀』No.100
【特集】暴力扇動のダイナミズム―「表現の不自由展・その後」中止事件から考える
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2019年12月発行
単価 : ¥1320 (税込) (税込・送料別・冊子版)
アジア女性資料センター発行
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2019年8月、日本中に激震が走った。大きな政治的権力を制度的に持つ、市長・知事・国会議員・閣僚が、市民が制作した植民地支配・戦時性暴力・戦争などを取り扱った作品について、侮辱し、その展示中止まで追い込んだのである。愛知県で開催されていた夏の恒例芸術際・あいちトリエンナーレでの出来事だった。(中略)いま、この問題を「暴力扇動のダイナミズム」として捉え返すことで、当たり前にまかり通り、制御不能な多岐にわたる権力の濫用、政治介入、政治の暴力に警告を発したい。(中略)各論考で、共通して言えることは、長い年月をかけてゆっくりと確実に、政治権力が市民の告発や市民活動を著しく妨害または阻止してきたことである。その結果として、あいちトリエンナーレ事件が起きたと言えよう。他方で、市民も手をこまねいてきたわけではなく、さまざまな抵抗・対抗をしている歴史でもあることを論考から知ることができる。今後、その抵抗・対抗を揺るぎないものにしなくてはならない。そのための一助になればいいと考える。(「特集にあたって」より )
【目次】
特集にあたって 梁・永山聡子/自由と支援の間の不自由― あいちトリエンナーレ2019展示中止問題 志田陽子/【インタビュー】問題は「表現の不自由」ではない 嶋田美子さん/政治と暴力 主な事件/地方政治家によるヘイトスピーチ(あるいはその促進)について 明戸隆浩/表現の場を奪われる表現者たち――ニコン「慰安婦」写真展中止事件と「表現の不自由展・その後」 李史織/「あいちトリエンナーレ2019」に向き合って――美大生として日本のアートシーンに言いたいこと 森下綾香/七生養護学校への暴力的政治介入事件 谷森櫻子/誰の声を隠したのか― 前史としての千葉朝鮮学校地域交流補助金事件 池 允学 などなど…
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