『女たちの21世紀』No.9 【特集】セクシュアル・ライツで考える -------------------------------------------- 1996年12月発行 単価 : ￥1000 (税込) （税込・送料別） アジア女性資料センター発行 [コピー版（白黒印刷・ホッチキス止め）をご希望の場合は、事務局（[email protected]）までメールにてご注文ください。 その場合、印刷手数料100円および送料200円が別途かかります。] -------------------------------------------- 性の多様化の中でセクシュアル・ライツ（性的権利）という新しい考え方が国際的に浮上しています。女性が自分のセクシュアリティに関して「自由に責任をもって」決定する権利は人権であり、男女の対等な性と生殖の関係は人格と結びついているという考え方です。 日本の性をめぐる状況はすさまじいの一語につきるのではないでしょうか。物質主義の消費文化、私生活を奪う企業社会、孤立して希薄な人間関係、男女の意識の落差といった日本的現実の中で、性意識、性行動は多様化しています。それに対して「性の商品化」を擁護するような論調も目立ち、フェミニストの間にも意見の違いが出ています。 このような困難な課題に向き合うために、この号では私たち自身の性を語り、性暴力と闘う女たちの行動を紹介し、日本の歴史的性風土に切り込み、性をめぐる国際的な動きを追い、日本の男性たちの声にも耳を傾けました。 女性の人権問題に取り組むだけでなく、私たちがめざす未来社会、女たちの21世紀の性の在り方を考えたいと思います。そのためには女性たちがもっとオープンにそして深く、性的自己決定権、性的自立、性の解放などセクシュアリティについて論じあう必要があるのではないでしょうか。セクシュアル・ライツを一つの手がかりにまとめたこの号が性をめぐる討論の呼び水になるようにと願います。（巻頭言より要約） 【目次】 セクシュアル・ライツを考える セクシュアル・ライツとは何か～性暴力と性の商品化のない社会をめざして～ 松井やより／日本仏教と性風土 源淳子／なぜ性産業は繁栄するか 大島静子／人権派の立場で考える売買春問題 柿木和代／裁かれざる性暴力～「やり得」社会～ 河原理子／ポルノは法律制ではなく女性の力で！～「ポルノグラフィーと表現の自由」学習会レポート～ 滝光子／女のセクシュアリティ―アートの目 富山妙子／「沖縄の女たちは今が最高です！」～少女暴行事件から１年、高里鈴代さん大いに語る（インタビュー）　高里鈴代　 私のセクシュアル・ライツ 美しい私のからだ～障害を持つ女性のリプロダクティブヘルス・ライツ～　安積遊歩／やさしい人間関係と中年からの性 福間順子／主婦のセクシュアル・ライツ 渡辺美代子／私と性産業で働く女性たち～私たちにとっての性的自由および自己決定権～　川畑智子／私たちのトーク 「生と性を語る」池田恵理子・加地永都子・丹羽雅代・藤岡美恵子・星野昌子・松井やより・渡辺美奈　　 日本男性の性意識を問う―男性たちの声 「甘え」という名の暴力　真鍋弘樹／あられもない現状肯定の時代？　彦坂諦／力関係を越えて　小出雅生／アウンサン・スーチーさんの語る日本人男性観　中村尚司／「援助交際」という名の“売買春”の背景にあるもの　村瀬幸治／レイプと買春について　森岡正博／元日本軍兵士の変わらない性意識 池田恵理子　 『タイ売春読本』裁判の問いかけるもの 黒田貴史／男性はナゼ買春をするのか－琉球大学の調査から 吉田裕子 狙われる子どもの性 「子どもポルノ」規正法を女性の手で！～「ストップ子ども買春の会」宮本潤子さんに聞く～（インタビュー） 宮本潤子／国外での性的虐待行為を日本で告訴～子ども買春・ポルノと闘う～ 海老原夕美 世界では 売買春に関する法制度の新しい動き　～タイの新売買春防止・禁止法を中心に～ 藤岡美恵子／なぜ女性性器切除の廃絶運動にかかわるのか ヤンソン柳沢由実子　 ／イスラームと女性① 中原道子／セクシュアル・ライツをめぐる流れ　カイロ人口開発会議から北京女性会議への流れ　堀口悦子／バチカンの策謀 フランシス・キスリング　 アジアの国々では今 中国における婚姻内強姦 田畑佐和子／韓国における性暴力　金　富子／資料『セクシュアル・リベラリストによるフェミニスト攻撃』ドーチェン・リードホルトによる序文抄訳／参考図書　　　　などなど… ============================================ 特定非営利活動法人アジア女性資料センター（AJWRC） E-mail：[email protected] http://www.ajwrc.org/